随筆「邦楽フェスの最高峰:ROCK IN JAPAN FES. へのいざない」
2017年8月5日・6日・11日・12日 茨城県 国営ひたち海浜公園
ROCK IN JAPAN FES. 2017
ROCK IN JAPAN FES. 2017に行ってきました。この記事を書いている現時点では前半の5日・6日が終了したところ、明日より後半の11日・12日へ参加します。
僕は年に2・3件程度フェスに行きますが、「ROCK IN JAPAN FES.」は今回が初。ブログを立ち上げ、音楽シーンについて考察する中で、「Suchmos」「Never Young Beach」「Creepy Nuts」「岡崎体育」「ヤバイTシャツ屋さん」等々…自分と同世代の20代後半でシーンの最先端を賑わせているアーティスト達が初参戦する事を知り、邦楽最大のフェスでどんな活躍を見せるのか気になったのがきっかけでした。
はじめに断っておきますが、今回はライブレポではありません。(ライブレポは後日、別記事で掲載しますので、そちらもぜひ。)
参加を通して得た「ROCK IN JAPAN FES.」フェスそのものに対する一つの重要な発見について、ブログで色んな人に伝えられたらなと思い、筆を取りました。
それでは以下前段です、長いです、僕の悪い性格がフルに発揮されています、ので「早く結論に進めよ…」という人は、読み飛ばして次の記事へどうぞ、冒頭にこの記事の中身をコンパクトに書いてあるので安心!
その発見は…
「ROCK IN JAPAN FES.=邦楽シーンの縮図・覇権争いのコロシアム」
そして、この発見を踏まえて「邦楽ファンと邦楽バンドマンは必ず毎年チェックすべし」と言い切りたいと思います。
たかだか1回参加しただけで、なんでそんな事言い切るの!?
フェスなんて毎年出演者が代わるんだから目当てがいなけりゃ行く意味無いよ!?
という反論、よくわかります。というか行く前だったら自分も「毎年」は大げさだろ…と思っていたと思います。しかし、参加してびっくり、「最新の邦楽シーンのファン」である僕にとって、想像以上にこのフェス、収穫が大きかった!
蛇足にはなりますが、まずここで、この説により強い説得力をつけるため、自分が「音楽ライブどれだけ好きなのか」を書きます。というか、うぬぼれます。恥ずかしいけど。
僕は少なくとも年間30本以上はライブ・フェスを見てます。邦楽・洋楽問わず気になるアーティストがいれば時間と金の許す限り足を運びます。王道ならフジロックにサマソニ、変わり種なら反原発フェス、プログレフェス、アイドルイベント、自分が今最も夢中になっているRobert Glasper Experimentの来日時はツアーの全公演を有給休暇とって全国追いかけたり、翌日の事を全く考えずに来日アーティストのアフターパーティーを探してクラブを何軒も駆け回ったり…正直自分でも、音楽と関係ない仕事をしている社会人のやることじゃないと思います…
こんなにライブ大好きな僕ですが、今までこの「ROCK IN JAPAN FES.」にはなかなか参加できずにいました。音楽大好きだけど「ROCK IN JAPAN FES.」に参加せずにいる人、けっこういると思います。ここで、そんな音楽ファンの心理を、2パターンに分けて分析してみます。
①「ROCK IN JAPAN FES.」で見なくても単独公演に行けばいいや…
このフェスは「邦楽フェス」です。邦楽アーティストはフェスの他に、単独公演を国内で頻繁に行います、ので「ROCK IN JAPAN FES.」で見れなかったとしても単独公演に行けば見られるし大丈夫…そんな心理が参加に二の足を踏ませてしまうパターンです。
対する、洋楽アーティストはその機会を逃すとしばらく日本でのライブが見れなくなってしまうようなケースが結構あります。例えば今年のFuji Rock Fes.の「Aphex Twin」なんてその代表格だと思います。次の来日いつになるんだろう…その不安が「これは今回見ておかなきゃな」と後押ししてフェスに参戦した経験、音楽好きだったら結構あると思います。
②フジロックとかサマソニとか、邦楽・洋楽混合の他のフェスで今年は「見た」、もしくは「見る予定ある」ので、「ROCK IN JAPAN FES.」はいいや…
上のパターンと似ているけれど、こちらは少し毛色が異なります。他のフェスで見たor見る予定があるのでもういいや、というパターンです。これ結構あると思います。今回の僕のケースだと今年のサマソニにも参戦する「Suchmos」なんてこれに該当します。
こんな人けっこういるんじゃないでしょうか。ちなみに自分は今回参加するまで、①と②の両方が働いて、「ROCK IN JAPAN FES.」への足が遠のいていました。この①と②の心理、根底には「フェスのライブも好きだけど、どこで見てもそんなに変わらないでしょ!」という思考があると思います。
90年代の後半からスタートした日本の音楽フェスは、約20年の時を得て完全に音楽文化の一要素として定着しました。現代の邦楽シーンの最前線で活躍するアーティストにとって、フェスへの参加はメジャーアーティストとして認知される上で最低限乗り越えていなければならないハードルとなっています。つまりどのアーテイストもフェス対策をしっかりと考えているし、リスナーもフェス慣れしているのです。故に、「フェスのライブも好きだけど、どこで見てもそんなに変わらないでしょ!」こんな考えが頭をもたげるのではないかなーと思います。
しかし、この「ROCK IN JAPAN FES.」は違いました。このフェスでしか生まれない様々なドラマがあったのです。
本題に入ります「ROCK IN JAPAN FES.=邦楽シーンの縮図・覇権争いのコロシアム」について…
このフェスはその成り立ちから、嫌が応にも参加するミュージシャン同士の「争い・対立」を煽るような作りになっています。
それは日本の音楽フェスで唯一このフェスのみが抱えている2つの大きなテーマと密接に関わっています。
「邦楽フェスの最高峰」という表のテーマ × 「邦楽シーンのヒエラルキーの縮図」という裏のテーマの2つです。
長いところ読み飛ばさずに最後まで目を通して頂いてありがとうございます!
この2つのテーマが生み出すドラマについて、次の記事へ!