Oh! Sweet Nuthin'

音楽を「dig」る楽しさを伝えるブログ

6月のPV(邦楽編) 「集団行動 - バックシート・フェアウェル」「never young beach - SURELY」

6月にYouTube上で公開された音楽PVより、個人的に気になるPVを5作ご紹介。 楽曲のリリースタイミングとは異なりますのであしからず。

 

まずは 集団行動 - バックシート・フェアウェル から。

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相対性理論進行方向別通行区分タルトタタンと数々の癖のあるバンドを渡り歩いてきた真部脩一と西浦謙助のコンビ「アゼル&バイジャン」。

彼らが新たに結成したバンド「集団行動」の1st EP。

Vo.は講談社アイドルオーディションのファイナリストという異色の経歴を持つ齋藤里菜。今までの「アゼル&バイジャン」が関わったプロジェクトと同様に音楽活動歴の浅い女性をVo.に迎えている。

相対性理論の音楽はマスタリング・演奏ともに粗削りだったけれど不思議な高揚感を与えてくれる、ジェットコースターのような音楽だった。対してこの集団行動は音楽は丁寧に作りこまれ聴くものの気持ちをトリートメントしてくれる、さながらロケーションにこだわりつくした観覧車のようだ。

注目はギターソロからのブレイク後、ゆっくりと丁寧に膨らんでいくこの展開は西浦節の新境地!

現在メンバー3人という編成だが、ホームページでメンバーを募集中。今後このバンドがどのように進化していくのか非常に楽しみだ。

 

続いては never young beach - SURELY を。

PVの内容が最高!純粋でほのぼのとしながらも、芯がしっかりと通ったこのバンドの雰囲気とキャラクターをよく表現できている。

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今までの彼らの楽曲の中でもひときわにロマンティックかつピュアで普遍的なテーマを、シンプルで爽快なグルーヴに乗せたこの曲。楽曲も歌詞も非常にポップでわかりやすい。売り出し中の彼らにとって名刺代わりとなる一になるだろう。

フォークミュージックへのマニアックな愛情を詰め込んだ1stアルバム、バンドの持てる創造性の限りを詰め込んだ2ndアルバムを経て、7月19日リリースされる3rdアルバム「A GOOD TIME」はどんなnever young beach を見せてくれるのか、期待が高まる出来だ。

筆者の2016年の年越しを飾ったバンドでもある彼ら、渋谷WWWで「お別れの歌~カウントダウン~明るい未来」の流れで年を越したのは本当に良い思い出。ライブの彼らは緩いけど芯の通ったキャラクターがより引き立っていてまた格別、早くLIVEに行きてーなー!

 

まずは以上邦楽より2作!

5月のPV(洋楽編) 「Red Hot Chili Peppers - Goodbye Angels」「Tank and The Bangas - QUICK」「Jlin - Carbon 7」「tofubeats - LONELY NIGHTS」「Mura Masa - Passion Fruits (in BBC Radio)」

 5月にYouTube上で公開された音楽PVより、個人的に気になるPVを5作ご紹介。

楽曲のリリースタイミングとは異なりますのであしからず。

 

まずはRed Hot Chili Peppers - Goodbye Angelsから!

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昨年の6月に発表された11thアルバム「The Getaway」からの最新Single Cut。

Mother's Milk時代のレッチリからは想像できないような緩急の効いたヘビーなナンバー。

特筆すべきはGuitarのJosh Klinghoffer!前任のJohn Fruscianteが残していった「枯れたGuitar」の遺産をイントロ〜バッキングでは丁寧に引き継ぎつつ、間奏では疾走感溢れるメタリックなスタイルを違和感なくぶっこんでくる!この展開は最高にクール。

PVは女優のKlara Kristinがレッチリのファンに扮し、スタジアムLIVEの1日を疑似体験するというもの。絶え間なく刻まれるBass音と共になんの脈絡もなく展開される映像は、ストーリー性がないにも関わらず見る側を引き込む何かを持っていて非常に不思議。

歌詞の内容はアンソニーの失恋について歌ったもので、自由奔放な女性に恋焦がれてしまった男の苦悩を歌ったもの。この映像はその歌詞の空気感を絶妙な塩梅で変換して表現していると思う。

 

1つ目で力入れすぎた...

残り4つはシンプルにさらっとご紹介

 

Tank and The Bangas - QUICK

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New Orleans出身の注目の新人バンド、NPRのTiny Desk Concertで発見しました。

今回はPVから選曲したけれど、同曲のTiny Desk Concert Ver.は、よりバックの演奏のタイム感が感じられてGood!(PVは音源化にあたってTank嬢の高速ラップを強調するためなのかな...バックの演奏の主張が薄く没個性的になってしまっていて残念...)

映像事態は...日本人の僕には理解しがたいセンスだ...

 

Jlin - Carbon 7

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Juke/Footworkの新星Jlin(ジェイリン)、新作2ndアルバム「BLACK ORIGAMI」のプロモーションで公開。動画の内容は...Footworkingっていうか暗黒舞踏じゃん...圧巻のパフォーマンス...カメラワークすげえなと思って調べたら監督はJoji Koyamaという方で日本生まれの英国育ちのようです。

リズムに無駄がない。クラップ、ビート、サンプリングのスクラッチだけでここまで聞かせるのは...という感想、Juke/Footworkの中では比較的とっつきやすいと思う。Aphex TwinAutechreのようなAcid Technoが好きな方に聞いて頂きたいです。

 

tofubeats - LONELY NIGHTS

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5月発売のメジャー3rdアルバム「Fantasy Club」のプロモーションで公開。

New Album、なんとPitchforkでとりあげられてましたね!という事で、あえて「洋楽」ってカテゴリーで紹介しちゃいます。

打ち込み間たっぷりのつぶれたドラムが粋な感じ、tofubeatsは自身の色を消さずに常に様々なジャンルにアプローチしていますねーかっこいいなー。

この曲は必ず疲れ切った夜の帰り道に聞きます、そのシュチュエーション以外ではミスマッチで聞きません。テクノなシンセの音色が夜を優しく包み込みます。

 

Mura Masa - Passion Fruits (in BBC Radio)

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Mura MasaはUKのプロデューサー、ビートメーカー。UKグライムやビートミュージックの盛り上がりとともに現在最注目されている若手です。

今回ご紹介するのはUKの伝統あるラジオ局、BBCが企画するプログラム「Live Lounge」シリーズの一環でMura Masaがフィーチャーされた回、ラッパーDrakeの最新作 「More Life」より「Passion Fruits」のカバーです。

7月にデビューアルバムも発売される模様のMura Masa、これからの活躍が期待されます。

 

以上5作をご紹介…選曲難航したな…

でも、なんとかできたー!また次回!

今週の新作 Yogee New Waves「WAVES」

Yogee New Waves とは...

Guitar.Vo / Guitar / Bass / Drum の4人組ロックバンド

2014年4月に1st EP 「Climax Night e.p.」でデビュー、同年9月に1st Album 「PARAISO」をリリース、以後各地の音楽フェスやツアー等勢力的に活動を行い、SuchmosやNever Young Beachらと共に「2010世代」のバンドの一角として活動中...

 

本作「WAVES」は2017年1月のメンバーチェンジを経て初のフィジカルリリース。

まずは本作のリードトラックにあたるWorld Is Mineから↓

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アルバムタイトルの「WAVES」というワードのイメージにぴたっと重なる爽快なロックチューン。このバンドはメリハリつけたスローパートの使い方が上手いなー。

歌詞中にシトロエンというワードが唐突に登場、チバユウスケの影響かな?

 

続いて本盤のリリースがアナウンスされる以前から新曲としてUPされていたCAMP↓

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中盤のファンキーなギターがたまらない。浮遊感漂う個性的なVoに対し、グルーブしながらもかっちりと刻んでいくバックの演奏。Voの強烈な個性にばかり耳が奪われがちだが、このバンドのギターの走り過ぎない丁寧なグルーブ感は本当に心地よい !

 

最後に貼るのは先行の2nd EP「SUNSET TOWN e.p.」にも収録されていたこの曲↓

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海行きてー!サーフィンしてー!この感想に尽きる!

CAMP→Like Sixteen Candlesの流れはこのアルバムのハイライトで間違いないと思います。

 

上記のPVあり曲の他は、UK Punkの影響がもろな「Dive Into The Honeytime」、UKオルタナ風の「Understand」、フォークロック風の「SAYONARAMATA」などなど...作風はそれぞれ。バンドも現在のメンバーになって間もないし、色々な作風を試して方向性を探っている様子。

ただ、「PVあり曲」に対して、これらの「PVなし曲」達は色々な作風に縛られた結果、このバンドの個性が悪い方向にふれてしまっているなー。

あと、既発曲の再録となった「Fantastic Show」はEP版の方が歌い回しがより自然体で好みです、残念。

 

そんなわけでアルバム全体では個人的には良し悪しが凸凹とした印象、収録曲は少ないけれど以前の2枚のEPの方が作風は様々だけれど厳選されていたが故に統一感があって完成度は高いなー。とはいえ新体制間もないし、Liveを通してバンドが熟成していく余地は十分、次回作はモンスターアルバムになるに違いない、今から楽しみ!

 

決して万人受けするバンドでは無いと思うし、PitchforkやBeats1が取り上げる最先端のムーブメントとは全く 別な場所にいるけれど...歯の浮くような一人称視点の青臭い歌を、演奏や楽曲のセンスでコーティングしてカッコよく見せられるバンドは、モダンに斜に構えた音楽で溢れる世の中ではかなり貴重!ハマればどこまでも引きずり込まれる魅力を持ったバンドです、「最近はヒップホップやビートミュージックばかりでもうロックは聞かないんだ」なんて人にもぜひ、忘れていたロックな心の高鳴りを思い出せるかもしれません。

このブログとタイトルについて

bouと申します

はじまりに「このブログとタイトルについて」という事で、まずはこのブログの自己紹介を...

 

【このブログについて】

このブログはわたくしbouが、日々の生活の中で「いい曲見つけた!これ流行ってほしいなー!」とか「ぜひ誰かに聞かせてみたいなー!」と思った音楽を、ばしばし「紹介」&「dig」していくブログです。

「文章の質」よりも「紹介する楽曲の質」重視で、できるだけたくさん取り上げていけるよう頑張ります。

 

【タイトルについて】

タイトルの「Oh! Sweet Nuthin'」はThe Velvet Undergroundの楽曲から拝借しました。

この楽曲は1970年にリリースされた4thアルバム「Loaded」に収録されています。

 

様々なバンドによるカバーが存在するこの楽曲、なかでもタイトルに据えるきっかけとなったThe Black Crowesによる2009年のカバーをここではご紹介。

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いなたくて、どこかなつかしい、不思議でポップな多幸感溢れる曲調...

対して歌詞は、自由と引き換えに色々なものを失ってしまった登場人物達によって、少し斜に構えた感じで紡がれ、何の解決も見えないまま終わっていきます...

ブログのタイトルにこの楽曲を選んだのは、楽曲の雰囲気と自分の置かれている状況とがリンクしたのが理由です。

現在27歳の自分はモラトリアム期の中盤戦!「夢が夢のまま終わってしまうかどうかの瀬戸際...」そんな状況とこの楽曲が表現する多幸感と絶望のせめぎ合いが、妙にしっくりきたのでタイトルとしてお借りしました。

 

以上自己紹介です、そんなわけで、このブログでは気負わず自由に自分の好きな音楽を、耳にした瞬間の気づきをそのままに、できるだけ多く、そして深く紹介」&「dig」していけたらなと思います。どうぞよろしく!